畦塗り とそれに付随する想い

畦きりと畦塗り
虫や動物が開けた穴を畦を切って確認し
田に水を入れ粘土状にし埋めていく
畦を塗って
田植えの準備
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先日、90年前後生きてきたオジイとオバアが畦塗りの公開演技してくれた。
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その後で代かきをするのだが、この人たちは牛で代かきをしてきた人たち。
そこは多可郡中町。
その町には11月22・23日頃に金比羅さんの祭りがある。播州三大祭りにも入る祭り。
私の幼少当時はサーカスも来るほどの大きな祭りだったし、その前は牛の市まであった、それはそれは盛大な祭りだった。そのお祭りをあてに親戚が集った。
今現在は人気もまばら、縁日の出店も当時の様相を見る影も無い。
播州。
「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」と詠った藤原道長の親父もいた土地。京の都の外にある人が赴任を命ぜられる第一の土地。大地が肥え、作物の収穫量も多かったらしい。
その後、鉱山や木材の供給地として単線で鉄道も走り、牛や鉱物や木材を供給していた。
ずっと時代を経て、その地はガチャ万と呼ばれた播州織りで賑わった。
織り機がガチャっといったら万の金になるという時代、女工さんもたっくさんいた。
こんな小さな町には歌舞伎小屋や映画館が数件あった。
今は(私が小学生高学年のとき)鉄道も廃止になり、小学生のときはまだ微かにガチャガチャと音をたてていた織物の工場も随分と少なくなった。

金比羅さんの祭りで子牛を買い、数年育てながら大地を耕す。
そして、大きくなった牛は市へ出し、また子牛をかう。
私は子供の時からトラクターでしか田を鋤き代かきをした経験しか無い。

先日、トラクターで田を鋤いているとき、牛で田を鋤くというのはどんな世界なのだろうかと想像していた。
親父が子供の頃はまだ牛舎で牛を飼い、世話していた様で、牛の目がかわいく大事に世話していた様だ。その牛を売りに出すときはたいそう悲しかったそうだ。

動物を飼うということ、家畜を飼うということ。
生命を飼うということ。

その家畜という生命の御陰で自分の生命を繋いでいけたということ。

現代において、私たちはその選択をしなくても現代システムのなかで生きていくことはできる。
正直、家畜を飼うということは面倒なことなのだ。

それには決意が必要だと思う。
大地の重力を決定的に受け、それを受容する決意。
高度成長期を期に人は自由に自由に、軽く軽くなる重力を良しとしてきた。
それがグローバルに生きることのできる世界市民的な優越感を現代人の意識に与えてきた。

「いつでもどこでも好きなときに好きなところへ行き、好きな選択ができるぜ」

その中で得れるものは確かにある。
私も好きなときに好きなとこに行かせてもらい、沢山の人と自然に会わせてもらった。
それは大変有り難く、それなしには私は生きていけなかっただろう。言葉にならないところで随分とたすけられている。

世界は否応も無く根底的に広がっていた。その広がりが良い意味でも悪しき意味でも存在を軽くした。

世界は広がり転圧しながら平坦に意識できる世界となった。
そこには悲劇と苦しみと、一方で喜びと可能性があった。

雨が沢を流れ海へ出る。その中で土を寝食しまた新たな流れができる。
その自然の流れのように歴史も動いているのではないかと思う。

その中にある私たちが行うべきことは、はみ出ることではないかと思う。

雨が大地を削る、それはただ削られるにまかすのではなく、その途中途中で植物や動物の営みがその流れを調和させようと動く。ちょうど良い調和点を導き出すがごとくの生命の営みがある。
沢山の試みがあり、その試みの中でちょうど良い調和点のもと大地の形が形成されていく。

私たち現代を生きる人が担うべき調和点、それは現代システムからはみ出ること、できるだけ沢山の新たな試みを行うことではないか。
その中で、失敗であったということは多いだろう。しかし、その失敗をできるだけ多く行うことが重要なのだ。その失敗の数の中にだけ、ちょうど良い調和点を見いだす可能性があるのだから。

頭で構築し、卓上の論理だけではなく、それを基としながらも、はみ出そう。はみ出よう。
はみ出しものの行為の中にこそ、旧態依然破滅していく現行システムに対する、そこから新たに築ける可能性ある未来がある。
沢山の試みをできるだけ沢山おこなおう。
その中にこそ、次の世界に繋いでいけるちょうど良い調和点の始点があるのだから。

季節と風がなく夢の無い場所から出て、喜びと痛いほどの重力の中で生きたい。

(ken)
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by perculkansai_ougo | 2012-06-09 02:25 | おーごにっく My 米づくり